まず、バイクの維持費の種類を確認しておきましょう。主な費用は次となります。これらの中には排気量などによって費用がかからないものもありますが、一通り確認しておきましょう。
1. 自動車税(軽自動車税)
2. 自動車重量税
3. 自賠責保険(強制保険)
4. 自動車保険(バイク保険)任意保険
5. 車検費用
6.メンテナンス代
7. ガソリン代
8. 駐輪場代
1.自動車税(軽自動車税)
まず、バイクの税金は軽自動車税という区分けになります。市役所や区役所など、市区町村から4月1日時点の車両の所有者に対して納税通知が送られてきます。自動車税は都道府県税なのに対し、軽自動車税はその車両の所有者の住所のある市区町村が管理する市区町村税となります。
それぞれナンバープレートと同様に5つに区分けされています。2016年度の税額の変更により、税率としては次の表のような4種類となります。
原動機付自転車・二輪車
2016年度から税率(年額)が変更となりました。
種別 税率(年額)
原動機付自転車
排気量50cc以下または定格出力600w以下 2,000円
排気量50cc超90cc以下または定格出力600w超800w以下 2,000円
排気量90cc超125cc以下または定格出力800w超1000w以下 2,400円
軽二輪 排気量125cc超250cc以下 3,600円
二輪小型自動車 排気量250ccを超えるもの 6,000円
市区町村によって若干異なりますが、毎年4月に納税通知が所有者の元に届き、5月中に納税する必要があります。納税はゆうちょ銀行やコンビニで行うことができます。
バイクは4輪の軽自動車と同じ軽自動車税なので、その年の4月1日の所有者に1年分課税されます。これは4月2日以降に登録した車両に対しては翌年の4月1日までの分は課税対象外となることを表します。自動車税は登録の翌月から月割の税額が決まっており、翌3月までの残り月によって納税義務がありますが、軽自動車税はこれと異なります。
反対に廃車/抹消登録をする場合も月割での税金の還付はありません。廃車/抹消登録をする場合は3月末までに手続きを済ませると税金を余計に収めなくても済みます。
※ちなみに自動車税は、総排気量1,000cc以下の乗用車の場合でも29,500円/年が課されます。軽四輪乗用車は10,800円/年と比較的低く設定されています。250ccを超えるバイクの場合、1,300ccでも6,000円/年なので優遇されていると考えることができます。
※また、普通四輪車、軽四輪車の場合、新車登録から13年を超えた車両は経年車重課(重課税率)となりますが、バイクには自動車税の経年車重課はありません。
2.自動車重量税
バイクの自動車重量税は排気量で決まる
自動車重量税(以下重量税)はクルマの重さ、新車登録からの経過年数に対して課税される税金です。125cc以下の原付には課税されません。また、126cc以上250cc以下の軽二輪車には新車購入時にのみ、4,900円の重量税が課税されます。250ccを超えるバイクには新車登録から12年経過車までは1,900円/年の課税が、13年以上経過したバイクには2,300円/年、そして、18年以上経過したバイクには2,500円/年と金額が変化します。
重量税は車検のときにその有効期間分を納税します。重量税という税の名称ですが普通自動車とは違い重量による税額の違いはなく、排気量による区分のみです。
3.自賠責保険(強制保険)
自動車損害賠償責任保険を縮めて自賠責保険といいます。これは原付から大型バイクまですべての車両に対し、その所有者の加入義務が、法律によって定められている保険です。加入が義務であることから強制保険とも呼ばれます。国によって保険料が定められているので、どこの保険会社でも料金は変わりません。金額は次の表を参照してください。長期で加入すると割安になります。
もし、有効期限が残っている間にバイクを廃車にしたり、譲渡したりする場合は保険料の還付を受けることもできます。
250cc以下のバイクと125cc以下の原付の自賠責保険はインターネット、郵便局、コンビニ、バイクショップ、保険を扱う修理工場、保険会社の窓口で加入することができます。
原付(125cc以下)の自賠責保険料一覧
契約期間 自賠責保険料
12カ月 7,500円
24カ月 9,950円
36カ月 12,340円
48カ月 14,690円
60カ月 16,990円
バイク(125cc超~250cc以下)の自賠責保険料一覧
契約期間 自賠責保険料
12カ月 8,650円
24カ月 12,220円
36カ月 15,720円
48カ月 19,140円
60カ月 22,510円
バイク(250cc超)の自賠責保険料一覧
契約期間 自賠責保険料
12カ月 8,290円
13カ月 8,560円
24カ月 11,520円
25ヶ月 11,780円
36ヶ月 14,690円
37ヶ月 14,950円
※自賠責保険に加入していない場合
250cc以下のバイクと125cc以下の原付の場合、自賠責保険の期限切れには特に注意しましょう。ナンバープレートに貼られている保険の標章(ステッカー)を確認しておいてください。原付でもバイクでも、ついうっかり自賠責保険の期限が切れたまま運行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金と免許停止の処罰/処分の対象となります。
もし仮に未加入の状態で事故を起こしてしまったら、莫大な損害賠償金を自己負担しなければならない可能性があります。自賠責保険の加入を車検時に確認される251cc以上のバイクと違い、250cc以下のバイクや原付では自賠責保険の有効期限を自分で管理しなくてはなりませんので注意が必要です。
4.自動車保険(バイク保険)任意保険
強制保険に対し任意で加入する保険となります。自分のケガ、搭乗者のケガ、破損してしまった物に対する補償などをカバーしてくれるのは、任意で加入する保険となります。
強制加入ではないというだけで、実際には必要不可欠な保険といえます。バイクの維持費として余裕を持って組み入れておきましょう。任意保険の料金は補償内容などによって大きく変わりますので、保険会社のウェブサイトなどで見積りをしてみるのもよいでしょう。
普通自動車に乗っていて任意保険に加入している場合、ファミリーバイク特約を付けることで125cc以下のバイクの任意保険を台数に限らずカバーすることができるので、加入している自動車保険会社に問い合わせてみましょう。
5.車検費用
原付および、250cc以下のバイクには車検制度がありませんので、車検費用はかかりません。251cc以上のバイクは、新車登録時は有効期間3年の検査を受け登録します。それ以降は2年に1度の車検を受け、基準を満たさない場合は一般公道を走行できません。車検費用は法定費用と呼ばれる自賠責保険料、重量税、検査料などの印紙代が必要となります。その法定費用は20,000円ほどです。
整備工場などに車検を依頼した場合は法定費用に加え、代行手数料、法定整備基本料、整備費用、部品代などがかかります。その額は整備内容や業者によっても価格の差があります。事前に見積りをとってよく相談し、依頼する業者を選びましょう。法定費用を含め、少なくともおよそ5万~9万円位の費用が必要だと思います。
ユーザー車検を検討する
バイク乗りにとって、車検はもっとも大きな出費といえます。車検は業者に依頼するのが当たり前、と思われがちですが、実際には自分でも行えます。
それがユーザー車検と呼ばれる方法で、自身で陸運局にバイクを持ち込んで車検を通す方法となります。業者での整備費用などがかからないため、車検費用を大幅に節約することも可能でしょう。
ただ、整備の知識が必要となるほか、平日にしか受けられないというデメリットもあります。
6.メンテナンス代
バイクにはさまざまな消耗品が使われています。代表的なものを挙げると、タイヤやオイル、ブレーキパッドなどが挙げられます。
これらのパーツは消耗具合に応じて交換しなくてはなりません。定期的に交換している、という方もいますが、定期的にというよりは一定の消耗をした段階で交換する必要があります。
また、安全にバイクを運転するには定期的なメンテナンスも必要になります。ガソリンスタンドやバイクの専門店などで検査、メンテナンスが受けられますが、お店によって料金は違ってきます。
◎排気量によっての税金などの違いやそれに伴う維持費の概要を大まかにシミュレーションすると以下のような概算となります。
年間10,000km走行でガソリン代が140円/1リットルと仮定すると
125ccまでのバイク
年間の維持費=およそ13万円
250cc以下のバイク
年間の維持費=およそ15万円6千円
400ccのバイク
年間の維持費=およそ18万8千円
750ccのバイク
年間の維持費=およそ20万6千円
1,000ccのバイク
年間の維持費=およそ24万4千円
125cc超250cc以下のバイクは高速道路も利用可能で、車検がないことを考えると経済的ということができるでしょう。また、多少維持費がかかっても大きなバイクには他とは違う魅力があるのもまた事実です。高速道路の利用や日常の使用用途などを考えながら、自分に合った楽しいバイクライフを想像してみましょう。
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